法話
2022/03/12
2022年03月12日放送
おはようございます、安平町 見龍寺 守屋 竜起です。
皆様朝ごはんは済みましたか?これからでしょうか?
曹洞宗の開祖道元禅師は、食事も大切な修行であると示され、食事を作る人の心構えを説いた「典座教訓(てんぞきょうくん)」、 食事を食べる人の心構えや作法を説いた「赴粥飯法(ふしゅくはんぽう)」を記されました。精進料理は和食の原点の一つとも言われるように、禅と食事はたいへん近しいものであります。
食事は生きるための基本行為です。近年は、食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる人間を育てる「食育」という言葉が広まってきました。この食育も道元禅師の教えをたいへん参考にされたそうです。
食育の一環で、刑務所では、食事が満足すれば争いごとも起きにくいとの理由で摂取カロリーが見直されたそうです。生きていくために必要な食事がいい加減ならば安定した心も体もつくれないでしょう。「いただく」ということを知らず、ただ空腹を満たすためにむさぼっていては、栄養バランスが崩れ自己管理も難しくなります。食事とは何を食べるかではなく、どういただくかが大切なのです。
このように食を考え向き合えるのも、食べ物が豊富にあり好きなものを選べるからこそです。世界には食べ物に恵まれない人たちがたくさんおります。その人たちにとって食事は命をつなぐ為のものでしょう。。たいへん有難いことに、私たち日本人は、食事を一つの文化とし、目で楽しみ、香りで楽しみ、そして味で楽しむことができています。
あらためて、たくさんのおかげによっていただける目の前の食事に感謝をしていただきましょう。
安平町 見龍寺
守屋 竜起
守屋 竜起