おはようございます。浜頓別町　永生寺　加藤　煕章です。
「無常」とは常がない、つまり全てのものは移り変わるということです。
無常の教えは時に不安を和らげ、時に気づきを与えてくれるよい教訓にもなります。

例えば、私は昔コンビニで深夜バイトをしていたのですが、一人だけ物凄く嫌味な古参がいました。些細なことで揚げ足を取っては、耳元でいちいち嫌味を囁いてくる方で。

深夜のバイトは夜十時から朝の五時でしたが、嫌味効果で永遠の地獄のように感じていました。
そんな地獄の七時間も「お疲れ様でした」と言って外に出ると、朝になっているじゃあないですか。

新しい朝が始まり家路へと歩み出せば、未来が動いています。
無論、深夜のコンビニバイトは週に四回入っていたので、一夜で終わるものではありませんが。

バイトという立場にもいつか終わりがあります。

「移ろう」ということは、「常に得て、常に失う」ことなのですから、地獄だった嫌味の時間も、もう二度と戻らないと知った時。

あの時間があったから、今苦手な人に出会っても、受け入れたり理解ができる自分がいる事。
自分が嫌味な人間になった時、後からでも、それに気づけるという「気づくための素材」になっている事。

常に得て、常に失う。
その現象の中で生きているという事を胸に留めておけば、いつか自分の気づきになるかもしれません。

無常とは、しがみつく私たちを解き放ってくれる教えなのです。