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随流去

法話   2022/02/26
2022年02月26日放送

おはようございます。札幌市 天童寺 大熊 真龍です。
本日は随流去という言葉をご紹介したいと思います。これは、「流れに従って行きなさい」という意味の言葉です。
昔、大梅禅師という禅の大家が山奥に隠遁生活をしておりました。
そこにある禅僧が道に迷って訪ねてきました。禅僧が里に下りるにはどう行けば良いか訪ねたところ禅師は「水の流れに従って行けば良い」と答えたそうです。
水は上から下に落ちるに決まっています。だからその流れに従って行けば何れ里に出ることができるでしょう。「至極当たり前のことをいうな」と思いながら、山を下っていた道中、彼は「はた」と気づいたのでした。
水が重力に従って下に落ちることはすなわち真理を表します。あの御老僧がいったことは「山を下りるだけではなく人生の道に迷ったときにも、自分は道から外れていないか、世の中の流れに逆らって進もうとしていないか、を冷静に見極めそれに従うべきであるということが真の意味ではなかったか?」と悟られたのです・
「流れに従う」といっても「流れやすい」ということは別です。「流れ」といってもそれは水が下に落ちるように「真理」に他なりません。流れを自分で都合の良いように解釈してあっちに行ったりこっちに行ったりすると余計深みにはまってしまうかもしれません。
皆さんは気づかないうちに意地を張って流れに逆らって生きたりしていませんか。そのように生きていけば、いずれ疲れてしまうでしょう。何が真実か、独りよがりになっていないかを冷静に見極めて、素直にその流れに従って生活することが安心して生きていくことに繋がることでありましょう。

札幌市 天童寺
大熊 真龍

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