大般若経
皆様、明けましておめでとうございます。旭川市 永泰寺 旭川市 永泰寺です。
正直、まだ色々な不安を抱えて新年を迎えられた方も多いと思います。
今、この時期私たち曹洞宗のお寺では、大般若の御祈祷をしています。これは皆様がご存知、西遊記の玄奘三蔵法師が、インドから中国に持ち帰ったと言われる、六百巻からなるお経の本をまるで読んでいるかの如く、パラパラとめくっていく大変珍しい行事です。
その六百巻もあるお経の本の内容を全て細かく解読することは大変困難ですが、全ての巻に共通しているのは私たち人間が持つ欲について書いてあることです。
仏教ではこの欲のことを煩悩と言って大きく三つに分けています。一つは「貪」といい、限りがない物欲や、名誉、地位を求め続けることです。一つは「瞋」といい、他人をうらやんだり、憎んだりする事です。
一つは「痴」といい、社会常識や道徳から逸脱しても、強引に自分の考えや行動を押し通そうとする事です。
私たちは、知らず知らずのうちに、こうした状態になってしまう可能性がありますから、努めて自分を振り返って反省し、必要以上に自分を大きく見せたり逆に自分を卑下する事もせず、正しい道に進む努力をしましょう。というのが大般若経の教えなのです。
私はそんな事にはならないと思われる方もあるでしょう。しかし、少し前、新型コロナウィルス対策でマスクなどが市場から不足した時、購入した方を羨んだり、不正に購入しようとして問題になった事があったと思います。私は誰もが、そうした事に陥ってしまう可能性はあると思い、お互いを大切に思い優しい社会をつくるよう努力をしていただきたいと思います。
旭川市 永泰寺