おはようございます。浦河町 光照寺 藏野 嗣雲です。
古い遺影、お写真につきましてお話をさせて頂きます。
日ごろ、仏寺につきましてお檀家さんからご相談をお受けすることが多々ございます。
ご法事のこと。お参りのお作法や、お墓のこと。内容は様々です。
よくあるご相談のひとつが遺影についてです。
『お葬式から何十年も経った遺影は、いつ処分したらいいの?』
仏間の鴨居の上にずらりと遺影の額が並んでいるお宅も珍しくはありません。
そんなとき、わたしの返答はいつも決まっています。
『では額縁は処分しましょう。でもお写真は封筒などに入れて取っておきませんか?』です。
現代では写真は極めて身近なものです。
カメラ付きの携帯電話をお使いの方も多くいらっしゃいます。
しかし、かつて写真は大変貴重なもので、気軽に日常を切り取るものではなく、大事な瞬間を記録する特別なものでした。
その1枚に込められた思いや労力は、現代とは比べ物になりません。
さらに、それが遺影となりますと、ただ単にお葬儀の際に使用したモノではなく、長年に渡ってご家族さまのご供養の念が込められてきた『温もり』があるものだと思います。
また、つぎの世代の方たちにご先祖さまのお顔がわかるものを残しておくことも大切なことです。
目元が自分と一緒だ、ですとか。
うちの丸顔はこの人からなのか、などなど。
お名前や、お戒名だけで認識している関係よりも、グッと身近な存在に感じるのではないでしょうか。
処分してしまうことは簡単です。いつでもできます。
もしお困りの方がいらっしゃいましたら、ぜひご検討くださいませ。菩提寺のご住職様に相談することをお忘れなく。
藏野 嗣雲