一寸座れば一寸の仏
法話
2021/08/28
2021年08月28日放送
皆さまはもし、何か何か新しい事を始めるとき、まず何をすればいいと思いますか?
知っている人に聞いたり、インターネットで調べたり、参考書を読んだりと、色々と方法はあると思いますが、まず行う事は「他から学ぶ」ではないでしょうか。
「学ぶ」の語源は「真似ぶ(まねぶ)」、つまり「真似る」という説がありますが、他人の真似をすると聞くと、あまりいいことではないように思えます。
しかし私たちは、真似ることから学び、理解し、成長していきます。
赤ん坊は言葉や立ち方を親や兄弟の真似をして学習しますし、大人になっても、経験のない仕事は上司や先輩のやり方を真似ます。
今日の豊かな生活も、全ては先人たちが築き上げてきたものを真似て、より良くしてきた結果です。
私も初めて座禅をした時は、只々格好だけを真似ていましたが、毎日繰り返す内に、意識せずとも身体をととのえられるようになりました。
そうして何度も真似をしたり繰り返して、一人前になっていきます。
「一寸座れば一寸の仏」。僅かな時間でも座禅をし、仏さまの真似をすればどうでしょう。何度も何度も仏さまの真似を続けていれば、それはやがて本物と変わらないものとなります。
理想の自分とは、いつか憧れた誰かの姿であり、その憧れた誰かは、自分にとっての仏さまです。
「一寸座れば一寸の仏」。
今この一瞬を真剣に、仏さまのように生きようとすることは、必ずその人の人生を豊かにしてくれることでしょう。
北斗市 円通寺
住山 瑛尚
住山 瑛尚