心を燃やせ
おはようございます。北斗市 七宝寺 油井 祥隆です。
お釈迦様は、命の炎を燃やし尽くす最期の時まで、お弟子様達に教えを説かれました。
「非脳を懐くこと勿れ。
若し我れ世に住すること一却するとも、会うものは亦当に滅すべし。会うて而も離れざることに終に得べからず」
「若し勤めて精進すれば、則ち事として難き者なし。若し行社の心数懈廃すれば、譬ば火を鑚るに、未だ熱からずして而も息めば、火を得んと欲すと雖も、火を得べきこと難きが如し」
この最期の教えを、意訳を交えながらではありますが、現代風にアレンジすると次のようになります。
「老いることも死ぬことも、人間という儚い生き物の美しさだ。老いるからこそ、死ぬからこそ、たまらなく愛おしく、尊いのだ」
「己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと、心を燃やせ。君が足を止めて 蹲っても時間の流れは止まってくれない。歯を食いしばって前を向き、胸を張って生きろ。」
実はこれ、昨年上映されました、アニメ『鬼滅の刃』に登場する「煉獄杏寿郎」という人物の言葉です。
『鬼滅の刃』は、新型コロナウィルスの世界的流行下において、日本映画歴代収入一位という偉業を達成しました。これは、単なる人気や流行だけでなく、作中で表現された、お釈迦様の教えにも通じる「生きる」という事の本質が、何かと疲弊しがちな現代に広く受け入れられた証拠なのではないでしょうか。
昨今、暗いニュースばかりが目立ち、日々を当たり前に生きると言うことが必ずしも容易ではない世の中となってしまいました。しかし、そうであるからこそ、私達は「明けない夜はない」という事を決して忘れず、呼吸をととのえ胸を張り、心を燃やして生きていきたいものです。
油井 祥隆