安らぎの作法
法話
2020/07/18
2020年07月18日放送
おはようございます、千歳市 大禅寺 押見正貴です。
うちのお寺のお檀家さんに、お経が終わると毎回、「一服していきますか」と仰って、慣れた手つきでコーヒーを淹れてくれるおじいちゃんがいます。正直その日によっては、お参りの予定が詰まっており、忙しさで心がざわついていることもあります。しかしおじいちゃんとコーヒーを飲みながら、お話をして「一服」していると、不思議と心が穏やかになっていくのを感じます。
そう言えば、以前に放送されていたてればアニメの「一休さん」でも、コマーシャルに入る前、ごろりと横になった一休さんが「あわてない、あわてない。ひと休み、ひと休み」と言う場面がありましたね。
私はこの「一服」とか「ひと休み」と言う言葉がお気に入りです。頭の中が煮詰まった時、思うように物事が進まない時、こうしたことばを思い浮かべて実際に「一服」し、「ひと休み」します。そうして心を落ち着けます。
『帰家穏坐(きかおんざ)』という、禅の言葉があるのをご存知でしょうか。家に帰って、穏やかに坐る。本来に自分に戻れる場所、そこに戻って安らぎを得る。そのような境地を表している言葉です。
私なりの帰家穏坐の方法は、一服する事、ひと休みする事です。では、今日このラジオを聴いておられる皆様にとって、本来の自分に戻り、安らぎを得られる方法は、何でしょうか。
番組が終わった後で結構です。どうか考えてみて下さい。
色々なことがありますが、皆様の毎日がより多くの安らぎに包まれますよう、お祈り致します。
千歳市 大禅寺
押見正貴
押見正貴