法話

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法話   2020/05/30
2020年05月30日放送

おはようございます、札幌市 峯光寺 小野隆見です。
道元禅師の語録をまとめた書物に『正法眼蔵随聞記』というものがございます。
その冒頭に、
「はづべくんば明眼の人をはづべし」とあります。
「はづ」というのは「気にする」という意味。「明眼の人」というのは「物事の道理をよく見通せる人」という意味です。
つまりこれは、「批判や評価を気にするのであれば、物事の道理をよく見通せる人からのことを気にしなさい」という意味になります。
この世の中で生じる問題の多くは、人間関係によって生じると言われております。人にどう見られているのか、人からどう評価されるのか、それが気になって思っていることが言えない、思ったことが出来ない。という方は多くいらっしゃると思います。更に今の時代ですと、パソコンやスマートフォンを使いインターネット上で、いつでも誰でも何にでも自由に評価できる時代です。名前も顔も知らない人から評価され、それによって喜ぶこともあれば、ガッカリする事もあるでしょう。自分では素晴らしいと思っている事が、くだらないと言われる事もあるかもしれません。匿名での心無い言葉に悲しむことがあるかもしれません。
そんな時こそ、「はづべくんば明眼の人をはづべし」です。逆に言えば、物事の道理をよく分かっていない人の批判や評価は、気にしなくて大丈夫。ということです。たとえ批判されても嫌なことを言われても、その人が物事の道理をよく分かっていないのであれば、その言葉自体が間違いかもしれません。大切な事は、様々な人の言葉に一喜一憂するのではなく、物事の道理をよく分かっている明眼の人の言葉を気にしてゆくということです。
「はづべくんば明眼の人をはづべし」を忘れずに、気にする時は気にする、気にしない時は気にしないようにしていゆきましょう。

札幌市 峯光寺
小野隆見

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