法話

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思いやり

法話   2020/05/02
2020年05月02日放送

おはようございます。
札幌市禅徳寺、柿崎孝彰です。
先日、駅前通りを歩いているときのことでした。あるお店の前に、宣伝のためのティッシュペーパーが、大きな箱に一杯入れて置かれ、「ご自由にお取りください」と書かれてありました。
私の前に、小学高の低学年位の男の子と女の子を連れた、若いお母さんが歩いておられました。男の子がその宣伝のティッシュに気づいて駆け寄り、5、6個持ってお母さんに追いつきました。それを見た女の子が「私も」と言って駆け戻り、両手いっぱいに持ってきて、お母さんの手提げバックに入れました。子供達は褒めてくれると思ったのでしょう。
お母さんは、立ち止まって子供達を待っていましたが、後ろから来た私の顔を見て、気まずそうな顔つきをされました。けれども子供達には何も言われなかったようでした。
皆さんがそのときのお母さん、お父さんならどうされますか。今の時代は、物事を判断する基準が、「損か徳か」にあると言われます。
私達大人自身の考え方が、次第に子供に伝わって、子供の考え方を変えていきます。
ですから、その時のお母さんには、「あらたくさん持って来たね。でもね、他の人の分もあるから、ひとつだけにしておきましょうね。あとは元に戻してきなさい。」と、言ってほしかったですね。自分達だけがよかったら良いのではなく、みんなのことを考える「思いやり」の心は、普段のちょっとした大人の配慮から育っていくのです。
お釈迦様は「知足」即ち足ることを知るということを教えられています。昨今この世情に対して、自分ではどうすることも出来ないことに、皆心の中に苛立ちを抱えています。
しかしこんな時だからこそ、物も心も奪い合うのではなく、分け合うという気持ちを大切にし、伝えていきたいものです。

札幌市 禅徳寺
柿崎孝彰

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