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杓底一残水

法話   2019/08/03
2019年08月03日放送

おはようございます、深川市 大玄寺 横山信光です。
皆さまは八月一日を「水の日」、この日を初日とする一週間を「水の週間」と定められている事をご存知でしょうか?
水資源の有限性、貴重さについて関心を高める為の一週間です。
私が住んでいる深川市は自然が豊かで農業が発展し、特に道の駅が「ライスランド深川」と命名されるほど稲作が盛んな地域です。市内には北海道の長流石狩川と、北部には雨竜川の大きな川が流れていて、その水の恵みをいただいて多くの水田や畑が広がっております。
大本山永平寺の正面入り口の門柱に、「杓底一残水 汲流千億人」(杓底の一残水 流れを汲む千億の人)と刻まれております。曹洞宗の開祖道元禅師は、水をお使いになるときも、柄杓の水を半分残して谷川に戻されました。どんなに水がたくさんあっても、粗末にしないという禅の教えです。さらに柄杓の水を少し残して川に戻せば、その水を下流で多くの人々も受け止めることができるという教えです。
このことについて曹洞宗梅花流永賛歌にも
「末の末まで案ぜられ
水一杯をつかうにも
その半杓を残してぞ
恵ませたもう親心」
という歌詞で表された道元禅師をお慕いしております。
日本は現在、蛇口を捻ると当たり前のように水が出てくる便利な時代となりました。だからといって無駄に使って良い訳ではありません。私たちは自然からたくさんの恩恵を受けて生かされております。豊かな自然、限りある水を大切にすると同時に、我々は自然に対して常に感謝と敬意をもって過ごしていきたいものです。

深川市 大玄寺
横山信光

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