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滝廉太郎忌

法話   2019/06/29
2019年06月29日放送

おはようございます、札幌市 大覚寺 荒木道宗です。
作曲家の滝廉太郎は明治12年8月24日東京で生まれ、官僚であった父の転勤にともない、富山県や大分県等で少年時代を過ごし、15歳で東京音楽学校に入学し声楽やピアノを学び、その後「荒城の月」「箱根八里」や、沢山の童謡唱歌を作曲しました。滝廉太郎の代表作である「荒城の月」は廉太郎が少年時代を過ごした富山県富山城址や、晩年に結核療養のために過ごした、父方の実家がある大分県武田市の岡城址等から着想をえて作曲したと伝わっています。
「荒城の月」は、廉太郎自身が城跡に佇んで、栄華盛衰、「もののあわれ」を感じ、その想いを曲に表しました。それは、言い換えれば、仏様の教えである「諸行無常」のお諭しではないでしょうか。「諸行無常」とは、「世の中の一切のものや、そのその有様は常に変化し、変わらないものではない」ということです。
新品の自動車はどんなに大切に扱っても、だんだん古びていきます。様々な生き物の赤ちゃんは、子供になり、青年になり、大人になり、老人になり、いつかは亡くなります。すべての、物・存在・有様は、常にお互い影響を及ぼし合い、変化しつづけます。「私」という存在・有様も同様です。そして心も常に変化します。
本日、命日を迎える滝廉太郎も、明治36年に23歳の若さでこの世をさりました。まさに「もののあわれ」であり、「諸行無常」ではないでしょうか。
私たちは、明日をも知れない毎日を送っているわけです。
一日一日を仏様のお諭しのもと正しく過ごしたいものですね。

札幌市 大覚寺
荒木道宗

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