「お出迎え」
法話
2018/10/20
2018年10月20日放送
おはようございます、新ひだか町 禅祥寺 渡邊邦顕です。
初めて行く建物や家を訪ねた時、誰もが、まず最初に玄関を探すと思います。
玄関の玄という字は幽玄なる様を、関は通り抜けるのが難しい様を表す関門という意味です。玄関という言葉は本来「幽玄なる仏教の道へ立ち入る時の難所」という意味で、転じて仏道の世界に身を投じる事を指す言葉でもありました。
ご法要で御導師を務められるお坊様を本堂にお迎えすることを送迎といいますが、月参りに伺った際、玄関でお家の方に迎えられ、お仏壇へと向かう姿は、まさしくこの御導師様をお迎えするときのそれではないかと思います。仏教の道へ立ち入るための玄関でお迎えをし、自分が供養したいと願う大切な人の元へ案内し、手を合わせ、お経をお唱えしてもらう。この玄関という場所を通じて、お檀家さんもまた無意識のうちに、送迎という役でもって仏道に身を投じているのではないでしょうか。
私も月参りの時には、伺ったお宅のインターフォンを押して、ご挨拶をして、それから玄関を通って家に上がります。今までも、そしてこれから先も、玄関でお迎えしてくださるお檀家さんのお姿を幾度となく見ることになると思います。何度見ても「この方は今、仏道にもを投じていらっしゃるんだ」という気持ち忘れずにいきたいと思います。
新ひだか町 禅祥寺
渡邊邦顕
渡邊邦顕