おはようござます、網走市　法龍寺　加藤芳憲です。
先日、小学二年生の娘と二人で買い物に出かけている時のことです。私はあまり得意ではないのですが、娘の恋愛の話になり、好きな人に絶対ふられない方法がわかったと言いました。どうゆうことか聞いてみると、それは自分からは愛の告白をしないことだそうです。それならば断られてふられる心配がないと言うのです。それを聞いて随分仏教的な考え方をするなと感心いたしました。
人は愛する人ができると自分のことも愛してほしくなり、ごくごく自然と自分のモノだけになってほしいという執着に通じていきます。いつかふられてしまうのではないかという不安や心配も出てきます。愛別離苦という苦しみがあり、どれだけ愛する人ともいつか必ず離れる時、お別れをしなければいけない時が来るという苦しみです。その反対に好きでない人と会わなければならない怨憎会苦という苦しみもあります。そのような悩み、苦しみを経験されたことがある方は、大勢いらっしゃると存じますが、これはそもそも誰のことも好きにならず、嫌いにもならなければ起こりえない苦しみなのです。このことをお釈迦様は仏教という偉大な教えの中の一つとしてお示しくださいましたが、理解することはできても実践することはなかなか難しい教えだと思います。
私の愛する娘たちもいつか家を出て、愛する人のところへお嫁に行き、別々に生活するようになるかもしれませんが、そうなった時に少しでも会いにきてくれるように、叱りつけるのは愛する妻に任せて、私はできるだけ優しくしておこうと思います。