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「知足」

法話   2018/03/10
2018年03月10日放送

私たちは生まれてから今日まで、多くの方々とのご縁や自然の恵みの中ので生かされています。この事実を心で本当に感じる時、
「おかげさまで…」と自然に言えるのだと思います。御陰様という言葉には必ず、
『自分以外の何かによって、自分に幸せをいただいている』ということが含まれています。そこに気づいてこそ「おかげさまで」、「ありがとう」という感謝の気持ちが言葉で表現できるのです。

しかし、感謝という事の感じ方自体が人それぞれ違います。
とある人は
「感謝というものは、人に強要されるものではない。自分が納得してこそ感謝の気持ちになれるものである」
またある人は
「親や近親者はわけもなく感謝を強要しますか?…その気持ちに気づかせて頂き、すなおに受け入れる事も感謝の気持ちではないか」
この二人は全く考え方が違うのです。なぜでしょうか。
人間の心は本当に不思議なものです。
生まれた時は誰しも真っ白で純粋な心であったのにいつの間にか、その考え方が違ってきます。その原因はどこにあるのでしょうか。心とはいったい何でしょうか。
『般若心境』というお経は、こうした心を『無』とか『空』と表現しています。もともと心は生まれたり滅したりしない。増えたり減ったりしない。しかし長い間にいろいろな心がつきまとってしまい、本来の心が見えなくなってしまうことを説いています。
般若心境では、そこを『とらわれない心、こだわらない心、すなおな心』と教えています。
人間誰しも欲にキリがありません。しかし『足りている』と思えば、そこに『ありがたい』と素直に言えるのです。
私たちは、日常生活の中で、その恵みに感謝できる「知足」のくらしをつづけたいものです。

伊達市 大雄寺
奥村 善道

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