「心配事の九十六%は」
「心配事の九割は起こらない」
これは、昨年の北海道管区「禅をきく会」におきまして、講師としてお越しいただきました、横浜市建功寺のご住職であり、また庭園デザイナーとしても世界的にご活躍の枡野俊明老師が著された本の題名です。
この本の題名を見たときに、もとより物事をいい方に考える私は不思議とこのことをすんなりと受け入れました。よくよく考えますと、いや本当に九割も起こっていないのかなと考えたりします。
アメリカのある研究結果によりますと、実際に心配事の八十パーセントは起こらないという研究結果がだされております。残りの二十パーセントのうち十六パーセントは準備していれば避けられるもの。
実際に起こりうるのは残りの四パーセントのみであるというのです。この四パーセントは我々にはどうしようもないこと。いくら準備して用心していても起こる事ですから心配してもどうしようもありません。
その他の心配事の九十六パーセントは起こらない、または準備していれば避けられるものなのですから、いかに起こりもしない事に対して多くの無駄な時間を費やして悩んでいるのかということになります。
その心配事の九十六パーセントが起きないのであれば、そのことに悩んでいる時間をほかのことに費やす事ができます。
この枡野老師の著書の中でもこの不安や心配事から解放される為の様々な教えが説かれておりますが、その中の一つでもあります、まずはどうにもならないことを受け入れること。そして過去に執着せず、今すべきこと、今やっている事を精一杯実行し時間を費やすこと。
無駄な事を削ぎ落として今をしっかりと生きる事に専念いたしましょう。その精一杯の今の積み重ねが豊かな未来となるのです。
安彦 智峰