「幹」
法話
2016/03/26
2016年03月26日放送
みなさん、どんな朝を迎えられたでしょうか、今日、3月26日は北海道新幹線が新青森~新函館北斗間で開業します。多くの方々が待ち望んだ、この北海道新幹線開業によって、北海道と本州、特に関東・東北地方との間を移動する方々の利便性が大幅に向上することでしょう。
さて、新幹線の「幹」は【みき】です。【木の幹】や【物事の主要な部分】という意味です。わたしはかつて次のような川柳に出会いました…『われはみき・せんぞは根っこ・子はえだは』…この川柳は自らを木の幹と例えた場合、木の根というのはご先祖様、枝葉は子や孫である…という心を詠ったのではないでしょうか。
木の根っこは、われわれ普段は見ることはできません。ですが、しっかりと幹を支え、そして、その支えられた幹から枝葉が生まれ、広がりと、繋がりが生まれます。
彼岸を過ぎ、北海道ではようやく春の息吹を感じる事の出来る季節となります。野山の木々も芽吹き、緑の枝葉をつけることでしょう。その枝葉の先には幹があり、さらに基には根があります。そして、我々の基にもご先祖様があり、きっと幹である自らを支えていてくれるにちがいありません。
根をおろそかにし枯らしてしまっては、幹も枯れ、枝葉も茂ることはありません。手を合わせ、合掌し、仏を拝し、先祖を敬うという日常の生活があってこそ、代々受け継がれてきた「いのち」の大切さが解り、人に対し、また物に対しての報恩感謝の心、仏心が育つと信じ合掌ある日々を送りたいものです。
札幌市東区 大覚寺
荒木 道宗
荒木 道宗