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「慈悲心」

法話   2015/10/17
2015年10月17日放送

先月のニュースで札幌の円山動物園で、コツメカワウソ、マレー熊、シマウマ、キリンと次々と死んでしまい、動物愛護の観点から問題視されているとのことでした。
今から三百年以上昔、徳川五代将軍綱吉公は動物愛護の究極とも言える「生類あわれみの令」を発布致しました。 理由は世継ぎに恵まれなかったこと。これを憂いた将軍の母が帰依する和尚さんに相談したところ、「殺生をつつしむべし」とアドバイスされたそうです。
将軍はそれを国民全体に徹底させることで自分の願いを叶えようとしたのです。この願いは世継ぎにとどまらず、しまいには自分自身の長寿のためにというものにかわってしまいました。
「お犬さま」と言われる通り、いぬどし生まれのため、特別に犬を保護したことで有名ですが、保護の対象は幼児・老人・動物・魚類・貝類から昆虫にまで及んだそうであります。
このことは、仏教の精神から言えばそのとおりなのです。 しかし厳密に実行するのは著しく困難な法でありました。
案の定、守らない人が続出。そのため、とりしまりがどんどんエスカレートしてしまい、野生動物におそわれて、抵抗しても罰せられ、ついには蚊やハエを殺したことも罪に問われるようになってしまったそうであります。
やがて生活に困難をきたす人々もあらわれ、「天下の悪法」とまで言われるようになりました。
さて、この掟は綱吉公の死とともに消滅したそうですが、病人や子供を捨てることや、牛馬の遺棄の禁止などについてはその後も継続されたとのことです。
さらには、仏教の慈悲の精神や不殺生の教えが広く庶民生活に浸透することになり、江戸時代の平和社会の実現の一因になったのであります。
現代もまた、慈悲心あふれる世の中にしてゆきたいものであります。

札幌市 真龍寺
飯田 整治

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