「心の落ち着きが大事」
私には四人の子供がいます。小学1年生の長女を頭に、3歳の長男、2歳の次男、そして今年2月に三男が生まれ、妻と子育て奮闘の真っ最中です。 「4人ともなると大変でしょ」とよく言われます。勿論楽なわけはありません。1人目の時でさえ「子育てって大変だな」って思っていましたが、4人ともなれば、毎日が賑やかを飛び越している状態です。そのような状況の中に居ますと、いくら我が子とはいえストレスが溜まってきます。
そんな日の夜でした。私が、ギャーギャー泣いている赤ちゃんのオムツを替えていた時に、一方で兄弟喧嘩が始まりました。長男が怒鳴り散らし、次男がワーワーと泣き叫んできました。両手はふさがり、喧嘩の仲裁と、体の疲れと精神状態もイライラの限界になり出した時に、ふと長女が私に話しかけてきました。 「あのね。」私はつい、ギッっとした目つきで長女をにらみ、「お姉ちゃんも歯を磨いて早く寝なさい!いつまで起きているの!」と、きつく当たってしまいました。長女はすごく寂しそうな顔を浮かべ、今にも泣き出しそうな表情のまま妻の方へトボトボと行ってしまいました。
娘はおそらく、接する時間が短い父親との会話を楽しみたかったのでしょう。自分が愛娘に冷たい態度を取って悲しませてしまったことに深く反省いたしました。 いつも気を付けているはずなのですが、急な事態であたふたすると、いつの間にか心に余裕がなくなってしまい、結果失敗を招いてしまいます。
お釈迦さまは、「禅定を修めていれば心が散乱することがない」と説かれておりますし、道元禅師も「坐禅に徹底することが仏道の正門」と、心を落ち着かせ、正していくことをお示しくださっています。 人間は心安らかに保ち、落ちつきを得ていないと正しい判断ができなくなるものなのだということを痛感いたしました。 「こういう時にこそ心の安らぎと落ちつきが必要なんだよ」ということを、娘を通じて再認識させていただいた日でした。
二ノ宮 賢隆