「ありがとう」
法話
2013/10/12
2013年10月12日放送
私事ですが、今年私の祖母が亡くなりました。とても優しいおばあちゃんでした。体調を崩してから亡くなるまで、しきりに「ありがとう。ありがとう」と言っていたそうです。看護師さんにも「あんなに最後に感謝でいっぱいな人は滅多にいません。」と言われたそうです。本当にすごいなと思いました。
私たちは、生まれてから死ぬまで常に何らかの助けを借りて生きています。体があるのは動植物の命を頂いているからこそです。呼吸ができるのは空気を作ってくれるものがあるからです。ご先祖様や友人、様々な人達がいなかったら人は生きられません。みんなが「お互い様」「お陰様」で「生かし、生かされている」のです。
お釈迦様の言葉に
「あたかも、母が子を命をかけて護るように、そのように一切の生きとし生けるものどもに対しても、無量の慈しみのこころをおこすべし。
また全世界に対しても無量の慈しみをおこすべし。
上に、下にまた横に、障害なく怨みなく敵意なき慈しみをおこすべし。」とあります。
祖母は去年から函館に住んでいたのでなかなか会えなかったのですが、体調を崩したと聞き、亡くなる二週間程前になんとか会いに行けました。別れ際の「元気でね…。仲良くね…。」という言葉が鮮明に残っています。
供養のためにも元気で仲良く、そしてお婆ちゃんの様に、最後に感謝と慈しみの心で
「ありがとう」
と言えるように生きていきたいと思います。
帯広市 瑞祥院
織田 尚徳
織田 尚徳