「想いを伝えましょう」
法話
2013/07/13
2013年07月13日放送
私は六年前の平成十九年に様々なご縁をいただきそれまで生まれ育った三重県伊賀市より奥尻に参りました。思い返せば本当にアッという間の六年間でしたが最初の頃は慣れない土地での生活・言葉・習慣に戸惑う事ばかりでした。今でこそ島の方たちとのお話で「おっさん、島に慣れたかい?」と聞かれると「奥尻来てすぐの頃は方言と早口で意味は分からへんかったけどみんなが笑ってるから笑わなあかんと思って笑ってたよ」と笑い話をします。よくよく思えば大変失礼な事でしたが。それでも、家族に、お檀家さんに、たくさんの方々に支えていただき今日に至っております。おかげさまで本当にありがたい事でございます。
さて、私たちは本当にありがたい事にたくさんの「いのち」に支えられ日々の生活を送っております。御先祖様より紡がれてきた「いのち」生きる糧としていただく「いのち」このたくさんの「いのち」にありがとうという想いを表す時私たちは手を合わせます。手を合わすという姿は儀礼的な作法の要素も含まれると思いますが対照となる方やものへの感謝の想いを伝える素晴らしい姿であると思います。誰かを何かを想い感謝する「想いという字は相手を心で支えてるんやよ。想いには言葉を添えて言葉には想いを添えて」と以前いたお寺の方丈様より教えていただきました。
お仏壇の前、お墓の前、お寺にお参りいただいた際、ご飯をいただく際、様々手を合わせていただく機会はたくさんあるかと思いますが感謝の想いがいっぱいいっぱい詰まった合掌を皆様にお勧めいたします。
奥尻町 乾清寺
木村 徹志
木村 徹志