「花まつり」
法話
2013/04/06
2013年04月06日放送
4月8日は、仏教を開かれたお釈迦さまの誕生日です。お釈迦さまは、今から約2500年前、インド北部のルンビニーの花園でお生まれになられました。伝説によりますと、お釈迦様は生後すぐに独り立ちして七歩歩き、右手の人差し指を天に向け、左手の人差し指を地に向け「天上天下唯我独尊」と宣言されたといわれています。このお言葉は「人は誰もが、かけがえのない命を生きている」という、仏教のもつ人間尊重の精神を端的にあらわしたお言葉です。
今日の日本ではお釈迦様の誕生を祝し、全国各地の寺院などで「花まつり」の行事が行われます。「花まつり」は、お釈迦様がルンビニーの花園でご誕生された様子を表し、花御堂という小さなお堂を飾ります。花御堂の周りには色とりどりの草花を飾り、灌仏桶の中に甘茶を満たします。その中央には天地を指差した誕生仏を安置し、甘露の雨を模した甘茶をかけ、華やかにお祝いを致します。誕生仏に甘茶をかけることは、お釈迦さまがご誕生のとき、雨の神の竜王が甘露の雨を降らせてお釈迦さまのおからだを浄めたという言い伝えによるものであります。また、お釈迦さまのお母さまでありますマーヤ婦人は白い象が体内に入る夢をみてご懐妊されたという言い伝えがあるため、花まつりでは白い象もそばに安置されていることもあります。
花まつりはお釈迦さまのご誕生をお祝いするとともに、私たち一人一人がこの世に生まれてきた命の尊さに目ざめ、正しく生きることをお誓いする日にしたいものです。
札幌市 瑞現寺
齋藤 秀光
齋藤 秀光