2012年10月20日放送
法話
2012/10/20
2012年10月20日放送
本日は心を洗うと書きまして、洗心ということについてお話しします。
いかなる宗教も、人格の完成を説き、それを究極の目的に置いていますが、厳密に言えば、人格の完成など不可能でしょう。 不可能でないまでも、至難の業であります。
だからといって、そこに断念してしまうのではなく、たとえ、到達でき得なくても、究極の目標を目指して、コツコツとたゆみない努力を継続してゆく、 そのプロセスが大事であり、そこにこそ大きな意義があるのです。 それがまた、人生のすべてだといっても良いでしょう。 「継続は力なり」と申します。継続してゆこうとする、前向きの姿勢が尊いのです。
「四弘誓願文(しぐせいがんもん)」という、仏教徒としての、四つの誓願文の中に煩悩無尽誓願断(ぼんのうむじんせいがんだん)とあります。 煩悩は尽きることがないが、断ち切るようにとの誓願をこめて努力する、という意味です。 また四つ目に、仏道無上誓願成(ぶつどうむじょうせいがんじょう)と結びますが、 これは、仏道は最高の道なるが故に誓って達成するよう務める、ということです。
こうした誓願に努力するには、絶えざる反省が必要になりますが、反省とは懺悔の心であり洗心であります。 同じ過ちを、絶対くり返さなぬことであります。
今日一日、洗心・懺悔の心をもって過ごしてみませんか!
滝川市 円覚寺
本川 一乗
本川 一乗