2012年4月28日放送
皆さんは日々の生活を心穏やかにおくられているでしょうか。「何の問題もなく、楽しい毎日だよ」と言える人は少ないのではないでしょうか。逆に「早く帰りたいのにこんな残業をさせられるなんて」とか「何で家の子は親の言うことを聞かないんだ」とか、常にイライラし怒りの感情を持っている人は意外と多いのではないでしょうか。
もっと言えば毎日のように紙面を賑わせている事件の多くは、この怒りの感情から生じた結果であると言えます。そういう人は周りが自分の思うように動くのが当たり前で、そうでないものには怒りの矛先を向けてしまう。まるで、世界を意のままに動かそうとする独裁者のようなものです。でも誰一人「全てあなたの思い通りに動きますよ」と契約した人などいないのです。
お釈迦様は怒りは蛇の毒のようなものだと言われています。怒りが心に生じたなら猛毒があっという間に体中に広まってしまうのです。だから怒りが生じたらすぐに消さなくてはなりません。「これが出来るのが本当に修行の進んだ者である」と言われています。でも僧侶である私も含め、なかなか出来るものではありません。
しかし諦めてはいけません。ちょっと考えてみてください。そんなに世の中に不都合で怒らねばいけないことばかりなのでしょうか。蛇口をひねればいつでもきれいな水が出てくる。暗くなれば電気をつけて灯りをとることが出来る。お腹がすけばおいしいご飯が食べられる。人間は不都合なことばかりに目が行きがちです。しかし本当はたくさんの人、そしてこの大自然のおかげで毎日の自分があるのだということに気がついたとき、怒りを無くするきっかけが見つかるのではないでしょうか。
あなたも全ての人や大自然に感謝する生き方を今日から一緒に始めてみましょう。
高垣 晶敬