2012年3月17日放送
法話
2012/03/17
2012年03月17日放送
暑さ寒さも彼岸までの如く、長い冬が終わり、北国にもようやく春の息吹が少しずつ伝わってきました。春の光と共に命の尊さや大自然の恵みに感謝しながらご先祖様を供養し、ご加護を願うお彼岸の時季を迎えました。毎年毎年同じ営みの中で季節はとどまることなくやってきます。大自然は偽りのない真実の姿を変わることなく、私たちに多くの恵みを与えてくれます。
曹洞宗の経典の中に「修証義」というお経がございます。その「修証義」の第四章の中に「衆生を利益すというは 自己得度先度他の心を起こすべし」とお示しです。言い換えますと「人々を救おうと思うなら、その人々に優しい心、思いやりの心を起こさせなさい」となります。優しい思いやりのある真心を具(そな)えた人は、周りの人から必要とされ、大事にされます。 また優しさや真心を持った人になれば、周りの人から「あなたがいてくれて良かった」と思われることでしょう。
彼岸に至る六つの方法として六波羅蜜がございます。その第一は布施です。布施とは、慈しみの心を持って、物だけではなく真心、そして思いやりや行いを布施といいます。
天地万物のお蔭と感謝する心があれば、自ら貪りの心をなくし、施しの心となってあらわれます。
春の陽気を全身に浴びながら、ご先祖様、仏様にご挨拶をし、いつも忙しくて忘れてしまいがちな「こころ」をみつけましょう。
今日彼岸 菩提の種を 蒔く日かな
お彼岸にはぜひお寺へ、お墓へお参り致しましょう。
札幌市 禅徳寺
柿崎 孝彰
柿崎 孝彰