2010年8月14日放送
法話
2010/08/14
2010年08月14日放送
今年もお盆になりました。
あるアメリカ人の留学生が「亡くなった人の魂をまつるお祭りや行事は世界中にありますが、日本のお盆は姿は見えなくても、声が聞こえなくても帰ってこられるご先祖様や亡くなった人を心からお迎えして、ごちそうでおもてなしをし来年もまた帰ってきて下さいとお送りする。とても温かいやさしい日本人の心を感じます」と言っておりました。 このお盆の行事は全国的な風物詩であり、日本独自の先祖供養といってもよいでしょう。
心臓が止まる事を「おとまり」と表現する地方があるようです。私達の体は、心臓から押し出された血液が肺に行き酸素を取り入れ、その酸素と栄養を体の隅々まで円滑に循環されております。その心臓の鼓動がとまり謙譲の気持ちを添えて「おとまり」。とても優雅で味わい深い言葉だと感銘を得ました。人間の寿命は何を持って決まるのでしょうか。普通15億から20億の心拍数で命が終わるとも言われております。
限られたこの命が昼夜を問わず、「おとまり」となるまで一時たりとも休む事のない心臓の搏動、心拍によって今生かされております。 この命は先祖様から脈々と受け継がれたものであり、今「自分が、私達が」ここに生かされている事に気づき、そしてその憶いを新たにする行事がお盆です。ご先祖様との命の交流をはかり、生命の尊さを自覚し慈悲の心を育てたいものであります。
深川市 大玄寺
横山 信雄
横山 信雄