2010年6月26日放送
法話
2010/06/26
2010年06月26日放送
今日、6月26日は、私の誕生日です。 そして、誕生日になると必ず淀川長治さんの話を思い出します。淀川長治さんとは、長年、日曜洋画劇場にて解説を勤められ、特に番組の最後「それでは、次週をご期待下さい。さよなら、さよなら、さよなら」の名台詞を残された方であります。
その淀川さんがこんな事を言っておりました。
「誕生日は、母が陣痛の痛みに耐えて私を産んでくれた日です。私を産んでくれた母に感謝する日なので、母と一緒に過ごす事にしているんです」
私は、誕生日と言うと両親を始め、周囲の方からお祝いをされるのだと思っておりました。 しかし、誕生日は、母が陣痛を耐え抜いてくれた日であり、十月十日お腹の中で守り抜いてくれた日であります。 その事を考えたならば、誕生日には、一言でも良い。「ありがとう」と感謝の言葉を口にしたい。態度で示したい。 母と父がいなければ、私は、今この世にいないのだから。 例え一時、反発をすることがあっても、親孝行が人間文化の始まりなのだから。 人間として生きる心の源とこの体を頂いたのだから、改めて「ありがとう」と伝えたい。
黒松内町 洞参寺
小林 正胤
小林 正胤