2010年5月29日放送
法話
2010/05/29
2010年05月29日放送
このところ巷では、「エコ エコ」とよく耳にいたします。エコバッグ、エコ減税、エコポイント、これだけ毎日毎日耳にしていると、一体エコとは何ぞや?という疑問がわいてきたりします。「環境を表すエコロジーと経済を表すエコノミー」を合わせた接頭辞なのだそうですが、まず頭に浮かぶのは、あふれるほどの物を造りながら、一方で節約ブームと謳っている矛盾点に疑問が湧いてきます。自分の周りをよ~く見渡してみて下さい。案外必要の無いものに囲まれて生活している事に気が付いたりもします。 確かに地球の環境を守り、無駄を無くすのは素晴らしい考え方です。個人で出来ることは限られていますが一人一人が意識を持つことで世の中はゆっくりと変化を遂げていきます。
仏教の教えに「少欲」と「知足」という言葉があります。お釈迦様は「欲望というものは、満たせば必ず次の欲望を生む」これが人間の迷いの根幹であるとご指摘されました。しかし一方では欲望を満たすのがいけないとは申されてはいません。 欲望というものは、絶えず危険性を伴うものであることを知り、その制御を学びなさいということを教えられています。何かに付けて闇雲にエコを唱える前にまず日常からこの欲をおさえて足りていることに気付くという「少欲」と「知足」の教えを意識して生活することこそ本当のエコに繋がるのではないでしょうか。今一度考えてみてはいかがでしょう。
札幌市 瑞現寺
斉藤 徳光
斉藤 徳光