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「成道のため」

法話   2018/06/09
2018年06月09日放送

おはようございます。東川町東川寺、風間真悟です。

先日までカンボジアに滞在しておりました。カンボジアは仏教国ですが、日本とは
いくつかの違いがあります。例えばカンボジアには「仏日」という日が月に数回あり、日の出と共にたくさんの人たちがお寺に集まります。その際、ご飯や果物などを持参してくるのですが、それらは全て僧侶のための食事になります。しかも、僧侶たちはみんなが見ている前で、一斉に食事をするのです。

私は、曹洞宗の食事作法「応量器展鉢」を見ていただくイベントを開催しているのですが、たくさんの人にじっと見られながら食事をするのは、とても緊張するものです。では何故、カンボジアではわざわざ食べる姿を見せる必要があるのでしょう。みんなに見られながら、それでもじっくりと食事をする僧侶たちを見ていたら、ふとその理由に気がつきました。僧侶の前に並べられた食事は、大切な「お布施」なのです。そのお布施が、ちゃんと僧侶の口に入ることを見届けてもらう必要があるのです。

曹洞宗では食事の前に「五観の偈」という偈文を唱えます。その偈文の中に、「五つには成道のためのゆえに今この食を受く」という言葉があります。「今から食べるこの食事は「道を成す」ために生かします。」という意味です。僧侶にとっての「道」とは「仏道」を指します。つまり、「私たちは今食べるこの食事を、仏道を成すために生かします。」という誓いを立てているのです。

皆さまにとっても、それぞれの「仕事」や「生きる目的」があるはずです。
食事をする前には是非、「これから自分がいただく食事を、何のために生かすのか。」を考え、感謝の気持ちを持って「いただきます」と唱えましょう。

東川町東川寺
風間真悟

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