法話

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2012年8月11日放送

法話   2012/08/11
2012年08月11日放送

仏教は、言うまでもなく平和の教えです。私たち僧侶は毎朝、坐禅をし、朝のお勤めで世界平和と、人々の安寧をお祈りしています。で、あればこそ、私自身も、家庭の中が平和でなければならないはずなのですが、中々そうはうまく参りません。
世間によくあることではありますが、我が家でも、ご多分に漏れず、私の妻と母との仲がギクシャクすることがあります。先代の住職であった父を亡くしてからは、常に私が妻と母の板挟みであります。お寺でありますから、本来、仏教の理想にそった、争いの全くない、平和な生活をしなければならないのですが、これは、「言うは易く、行うは難し」であります。
四年前、年に一度の大きなお寺参りの二日前、妻と母がささいなことでケンカをしてしまいました。このことについて、妻は大変後悔します。私は妻をなだめ、なぐさめました。さて、法要前日の夜、茶の間に一人で母が座っていました。母がひどく落ち込んでいることが一目でわかりました。
それをみて、私は心から反省しました。私自身が、今日まで、お寺を護り、私を生み、育ててくれた母に対して、その恩をアダで返すようなことをしていたことに気が付いたのです。妻と母、どちらが悪いというのではないのです。私自身に優しさが足りなかったのです。
道元禅師は「在俗のものは、親の生きている時も、死んでからも孝養を尽くすものである。お坊さんは、その父母への恩をすべての衆生にめぐらし、仏道に精進しなければならない」と、言われました。肝に銘じてまいりたいものであります。

猿払村 仏心寺
榛澤 弘章

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