法話

新しい一日

法話   2026/07/19
2026年07月19日放送

おはようございます。札幌市峯光寺 小野隆弘です。
皆様、おはようございます。本日も朝のひとときに耳を傾けて下さり、ありがとうございます。
さて、皆様にとって朝という時間は、どのような時間でしょうか?
昨日までの思いや、出来事を一旦脇に置き、新しい一日として、人生をもう一度歩き出すことが出来る。そんな時間だと私は思っています。
曹洞宗では、「今、この身、この心を大切にする」ということを教えの中心としています。また、永平寺を開かれた道元禅師は、「特別な時間や、特別な場所だけが尊いのではなく、今、この瞬間をどう生きるか、そのことが、そのまま仏道である」と説かれました。
例えば、朝に顔を洗う、湯気の立ったお茶を頂く、玄関で靴を履き空を見上げる。その一つ一つが、「早く次へ」であったり、「もっと効率よく」と流されてしまいがちですが、ほんの一瞬だけでも立ち止まってみると、それは確かに” 生きている実感” があります。
仏教では、人生には「苦]があると説きます。「苦」とは、苦しいことや、辛いことだけを意味する言葉ではありません。思い通りにならないことであったり、変わっていくこと、失われていくこと、そうした現実そのものを指します。
朝という時闇も同じなのではないでしょうか?
今日が忙しくなることを思えば、不安がよぎる朝もあるでしょうし、昨日の失敗を思い出してしまい、気持ちが重たく感じる朝もあるかもしれません。しかし、それらを追い払う必要はなく、また、無埋に前向きになる必要もありません。ただ、「そう感じている自分が、今ここにいる」それを、そのまま受け止めるのです。
雲があっても空は空、波が立っても海は海です。心が揺れていても、私達はちゃんと、この朝に立っています。
どうか今日は、一日の始まりに、「よし、今日もこの一日を生きてみよう」そう静かに呟いてみて下さい。その姿こそが、もうすでに、仏様の教えの中にある姿なのです。
それでは皆様、どうぞ穏やかな一日をお過ごし下さい。

札幌市峯光寺
小野隆弘

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