おはようございます。伊達市　大雄寺　奥村　孝裕です。
暦の上では立春を迎えたとはいえ、まだまだ北海道では一年の中で一番寒い季節が続いています。特にこの季節、外出の際には防寒の為の上着や帽子、マフラーなどが欠かせません。私には昔から大切に使い続けている一本のマフラーがあります。それは私の母が編んでくれた手編みのマフラーです。決して上手に編めているわけでもなく、少し短くて見ようによっては不恰好なマフラーですが、毎年冬になると毎日身につけて仕事に出かける大切なマフラーです。
最近では手編みのマフラーはめずらしいらしく、その都度「母に編んでもらったものです。」と説明しているので、何度よその家に忘れてきても「マフラー忘れて行きましたよ」と言って届けていただいたり、今では必ず私の元へ帰ってくる大切なマフラーになっています。
しかし、若い頃にも同じように母から手編みのマフラーをもらった事もありましたが、その時は「格好悪い」と言って、結局身につけないまま無くしてしまったことが何度もありました。自分の好き嫌いや、あまのじゃくな気持ちで母の心を知りもしなかった事。親の心小知らずとはこの事で、その時の母の気持ちを思うと胸が痛くなります。
私も親となり、初めて思いのこもったマフラーの本当の暖かさがわかるようになりました。何度無くされても、、たとえ身に付けてくれなくても、編み続けてくれた母の手編みのマフラーは、今ではなくてはならない私の大切な宝物となりました。
これからも冬を迎えるたび、毎朝このマフラーを身に付けて、笑顔で元気に「行ってきます」と声をかけること。
そして、感謝の心を見失わずに日々を生きることが「母のマフラー」に対しての、私の恩返しなのだと思います。