おはようございます。佐呂間町　真光寺　眞如　晃人　です。
「一九九九年七の月に恐怖の大王が来るだろう」二十一世紀の終わり、日本で流行した大予言。医術でペストを鎮めた、予言者として国王に仕えた、伝説を遺すノストラダムスの大予言です。小学生の頃の私は、テレビ番組を怖々見ていました。この予言、実は日本人の作り話だったのですが、様々な汚染が騒がれていた世紀末、人々の不安を煽りに煽りました。
二十一世紀も、多くの苦難や災害が起こりました。私も、家族や友人を事故や病気で亡くしました。その度、私は、「未来を予知できたら、みんなが助かったかも。」とどこかで大予言のような存在を願っていました。
　ある時、恩師がこんな話をして下さいました。「自分の部屋を想像してください。衣食住、生きるのに必要なものはすべて揃ってますね。ただ、部屋が暗いと、それがどこにあるのかわからなくなる時があります。修行をするという事は、その暗くなっている自分の部屋に部屋に明かりをつけることなのでしょう。自分の部屋というのは、実は自分自身のことなのです。」と。自分自身に明かりをともす、自分を見つめ続けることで、私たち一人一人が本当はもっているのに気づいていない、「生きる力」に気づけるのだという事です。
　渦中といわれ早二年。起こり続ける災害に、未来がわかればみんな助かるのに・・・という気持ちが消えたわけではありません。皆さんもそれがあるなら、知りたはず・・・残念ながらそんな大予言や万能薬は存在しません。そんな今だからこそ、まずは自分の部屋を、自分自身をじっくりみつめるために、どっしりと坐り、自分の手の届くところを、自分自身を調えることが大切ではないでしょうか。