おはようございます。安平町　見龍寺　守谷敬道です。
ひと月ほど前のお話です。
東京から来たと言うご夫婦がお寺を訪ねて来られました。お話を伺いますと、私と同世代の七十過ぎの方で、今年の春頃に東京から、奥さんの妹の住む安平町の追分に引越しをして、今後は家庭菜園をしたり、好きなお花を咲かせたりして、楽しみながらゆっくりと人生の歩みを進めたいとのことでした。
元々北海道の方で、帯広でお父様がお亡くなりになった後、東京のお寺にお墓を建立してご供養されていたそうで、お母様は帯広でご健在とのことです。
お寺を訪ねて来られた理由は、お父様のお墓のご遺骨のことでした。
まだ自分たちの引越し先も決まっていないのですが、その前にお父様のご遺骨を安心して納骨でき、ご供養していただける曹洞宗のお寺を決めたいと訪ねて来られたのです。
今の時代、無宗教、宗教離れという言葉を多く聞きますが、ご夫婦の話を聞き、私は心の中で「一番先に亡きお父様のご遺骨のことを考えている。なんとお父様は幸せな方なのだろう」と思い深く感激いたしました。
ご夫婦はそのままお檀家となり、納骨堂を決めて、安心してお寺を後にされました。その姿を見送りながら久しぶりに清々しい気持ちになりました。
親孝行とは、生命の根源を愛することです。