おはようございます、当別町　全久寺　白井應隆です。
以前雑誌で都営バスの車内で起きた出来事を報告した記事を見ました。
それによると混み合う車内に乗り込んできたお年寄りが座席に座っている幼児に「お年寄りには席を譲ろうって習わなかったの？」と言ったそうです。それを聞いた幼児は「習わなかった」と答えました。それを見かねた近くに座っていたOLさんがお婆さんに席を譲りました。これを見ていた先ほどの幼児はお婆さんに「人から親切にされたらありがとうって言うって習わなかったの？」と言ったそうです。この幼児の鋭すぎる指摘にお婆さんは何も言えなくなり真っ赤な顔でただうつむいていたという内容でした。親切にする側もされる側も共に「ありがとう」という心を持ちたいものでさります。
我々曹洞宗は「まごごろに生きる」生き方を推奨しています。それは物でも言葉でも心でも喜んで与える人になろう。人は一人では生きてゆけません。常に謙虚ん感謝の心を持ちましょう。そして身近な人の幸せを願って行動しましょうというものです。言うは易く行うは難し、これが簡単なようでなかなか難しいものです。人間には心の中に貪る心や愚かな心、さらに怒りの心という汚れた感情が時折頭をもたげ、正しい心の状態をかき乱すことがあります。でも自分の心構え次第で、その環境を良くすることも悪くすることも出来るのです。常に「ありがとう」という感謝の心で過ごすことが、周りの心を温かくし、お互いを笑顔にして心と心をつなぎます。そして心がつながるとお互いを幸せにします。
共に優しさと思いやり、 感謝の心を大切にして日々を過ごして参りたいと思います。