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脚下照顧~足もとを疎かにせず、一歩ずつ

法話   2025/11/09
2025年11月09日放送

おはようございます。石狩郡当別町全久寺 白井 隆悦です。
皆さんは「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」という言葉をご存じでしょうか。漢字では却下を照らし顧みると書きますが
まっくらな夜道を歩くとき、懐中電灯を使うとしましょう。その時、光を遠くの山に向けても当然ながら足もとは見えません。照らすべきは、いままさに自分が踏み出す場所。「自分の足元を照らして、そこから自分を見つめ直しなさい」、というのが「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」の心です。

現代はとても忙しい時代です。勉強や仕事、趣味や遊びといった予定の山、SNSなど情報の波、そして何より将来への不安。ついつい先のことばかり考えがちです。しかし、どれだけ先を見ても、結局つまずくのは足元の小さな不注意なのです。だから私たちは足元に目を向けて確認しながら歩いていかなければならないのです。
では、どのように足元を照らすのか。日常の中で、脚下照顧はたくさん実践できます。たとえば、玄関で脱いだ靴をそろえる。例えば、机の上を片づけ、使ったものを元に戻す。例えば挨拶でもお礼でも、相手に一言優しい言葉をかける。どれも小さなことですが、こうした積み重ねがせわしない心に少しのブレーキをかけ、落ち着いた丁寧な生き方につながります。そして、その丁寧な生き方が、遠くを見すぎて疲れている自身の心を癒し、やがて周りの人への優しさや思いやりにもつながっていくのです。
仏教、とりわけ禅宗では「今、この瞬間を大切に生きる」ことが伝えられています。これは決して刹那的に生きるということではなく、むしろ自分の立ち位置を再確認し一歩一歩踏みしめて歩いていくことが大切なのだと教えてくれています。
 もし今日、心がざわついたら、立ち止まって足もとを見てください。そして靴をそろえ、身の回りを整え、言葉を選ぶ。その連続が、あなたの一日を、やがて人生を、静かに美しく変えていきます。
遠い未来は、足もとの一歩の集まり。脚下を照らす人は、かならず前へ進んでいき、最初の一歩も、いま、ここから。

石狩市 全久寺
白井隆悦

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