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脚下照顧

法話   2020/08/22
2020年08月22日放送

おはようございます、札幌市 天童寺 大熊真龍です。
お盆も終わり、過ごしやすい時節となって参りました。皆様如何お過ごしでしょうか。
さて、皆さんは、お寺のお手洗いや壁に「脚下照顧」と書かれた札が貼ってあるのをみたことがあるでしょうか。これはお坊さんたちがよく口にして心がけている禅の言葉です。
簡単にいえば「足下を顧みよ」ということです。玄関の靴は一足ずつきれいにそろえてありますでしょうか。あさっての方向を向いて脱ぎ散らかされていませんか。靴の脱ぎ方一つとっても、日常口にする何気ない一言にさえも、実は意識するしないにかかわらず、そこには私の心のありようすべてが、過去からの経験の積み重ねのすべてが投影されているということをご存じでしょうか。
禅門では、ご飯をいただくときも、お茶をいただくときも、お風呂に入るときも、常に自分の心の今そこのところに置くように、厳しく言われます。毎日の日常生活すべてに渡って精進していくことが積もり積もって私たちの心の形を作り、その心がそのまま行動に表れていくのです。
じつは、「禅」という字はインドの古い言葉から来ていて「物事に集中してただひたすらに取り組むこと」を意味します。私たちの命は仏様のように尊いものだから、日常の振る舞いも仏様のように振舞わなければならないということであります。
自分の行いを振り返って、ふさわしい姿からはずれていないかを常に振り返ることは、そのまま自分の心に振り返ることにつながるのです。それを繰り返していくことが「脚下照顧」「足下を顧みよ」という言葉の意味なのです。
これからお彼岸に向けての過ごしやすい好時節。とりあえず、玄関の靴をそろえることから始めては如何でしょうか。

札幌市 天童寺
大熊真龍

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