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ひと口と向き合う

法話   2020/03/14
2020年03月14日放送

おはようございます、浦河町 光照寺 蔵野嗣雲です。
食事をする際の心掛けにつきましてお藩士をさせて頂きます。
私はたびたび修行中の食事に風景を思い出します。朝は決まってお粥を頂くことが禅寺の習慣の一つです。身なりを正して坐禅を組み、係りの方から給仕を受けます。熱いお粥から立ち上るその湯気を前に手を合わせ、感謝、誓い、祈りの言葉をお唱えし、ただ黙々と頂きます。小腹がしたからちょっと近くのコンビニへ。そんな事は叶わない生活の中で、日に三度頂くそれらの食事は我が身を支える貴重な糧でありました。特に寒い冬の朝、冷えた体に染み込んでいくあのお粥の味わいを忘れることはありません。

「五観の偈」をご存知でしょうか?
五つの文から成る食前のお唱えです。
その中の一文をご紹介します。

「正に良薬を事とすることは形枯を療ぜんが為なり。」

こちらは、ただただ空腹を満たすために食物を口にするのでは無く、心と身体を癒す薬としていただきます、という誓いの言葉です。
例えば風邪をひいて高熱を出したとき、フラフラしながらも、早く治すために一生懸命薬を飲みこむ。
あのすがるような、切実な思いを普段の食事にも重ねて考えることが大切です。
ひと口ひと口に対してどう向き合い何を想うのか。人生をより豊かに生きるキッカケが見つかるかもしれません。

「正に良薬を事とすることは形枯を療ぜんが為なり。」

さて、今日は何を食べますか?
そして、どう食べますか?

浦河町 光照寺
蔵野嗣雲

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