おはようございます、新得町　永福寺　大崎道春です。
本年も気付けば平成も終わりを告げ。「令和」隣、新たな時代の到来と時の流れに驚きを感じる今日此頃です。本日は「おばあちゃんのカレー」という演題でお話をさせて頂きます。
ある日、檀家のおばあちゃんの家へお参りに行った時のことです。私は予めハガキを出し、予定の時刻に呼び鈴をピンポーンと押しました。最初は反応がなく、あれっと思って次に玄関の引き戸を確認するとカギがかかっていました。留守かなとも思いましたが、もう一度ピンポーンと鳴らしてみると、ガタゴト音がして「ハーイ」と中から声が聞こえてきました。私はドア越しに「お寺です。お参りに来ました」と言うと「どうぞ」と言ってカギを開けてくれました。私は「失礼します。こんにちは」と言って、茶の間を通ってスタスタと仏壇まで一直線です。マッチでローソク、線香に火を灯し、線香を立ててチーンチーン、南無、南無とお経を唱えました。
おばあちゃん、最初は一緒にお参りしていましたが、暫くして台所の方からカチャカチャと音が聞こえて来ました。お参りが終わって茶の間の長椅子に座ると、おばあちゃんが「カレー食べるかい」、私は「少しなら食べるよ」と言うと、「若いんだから食べれるしょ」と言って大盛りのカレーを出してくれました。必死になって頂きました。きっとおばあちゃん前の日から食材を揃えてお鍋でコトコト煮込んだカレー、喜んで食べてもらってこの後もしっかりお参りしてもらおうという思いが込もったカレーです。おばあちゃん、いつも背中を押してくれて”ありがとう”。