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「秋の月」

法話   2018/09/15
2018年09月15日放送

おはようございます、蘭越町 玉峰寺 多澤玄幸です。
九月に入り、段々と秋の虫の声が聞こえて参りました。「中秋の名月」といわれるように、秋なるとお月さまがとてもきれいに見えてきます。
禅宗のお坊さんたちも昔かた月が好きで、いろいろな場面で何か大切なことを月に例えて表現します。
大本山永平寺を開かれた道元禅師も「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしけり」と詠われているように、月を眺めて季節を感じられていたようです。
日本の月は風流な気持ちにさせるものです。
私が好きなお坊さんの一人である良寛さんは、こんな句を残されました。
「盗人に 取り残されし 窓の月」
ある寒い晩、良寛さんの五合庵に泥棒が忍び込んできます。せっかく泥棒に入ったのはいいが、質素で素朴なその日暮らしをしている良寛さんですから、金目の物や盗むようなものが何も見当たらない。そこで仕方なく、良寛さんが眠っている布団を盗もうとします。
そんな泥棒の様子に気が付いた良寛さんは、寝たふりをしながらわざと寝返りを打ち、自分の掛けていた布団を盗みやすくしてあげたということです。そのあとに詠まれたものが先ほどの句です。
「さっきの泥棒も、窓から見えるこの綺麗な月は盗んで行かなかったか・・・。」
布団を盗まれてもなお、窓から見える秋の月を愛でる良寛さんのこの逸話には、良寛さんの優しさを感じると同時に、せわしなく進み続ける現代を生きる私たちに大切なメッセージを残して下さっているように感じます。
忙しく過ごす毎日の中で、心に余裕のなくなりがちな私たちです。時には心の余裕を持つことの大切さを、秋の月は思わせてくれるかもしれません。良寛さんの言葉を思い出しながら、今年の秋は月を眺め、私自身の心を眺めてみませんか?
「盗人に 取り残されし 窓の月」

蘭越町 玉峰寺
多澤玄幸

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