「無常」
夏の暑さもようやく静まり、少し朝晩に涼しさを感じられる季節となりました。本当に今年の夏は暑かった気がいたします。しかし、それももう終わり、町のあちらこちらに秋の気配を感じます。これからはひと雨ごとに寒くなり、やがて雪の季節がやってくるでしょう。これからは人と顔をあわせるごとに、「寒いですね」「冷え込んできましたね」という挨拶を交わすことが多くなるでしょう。しかしそんな挨拶を何度も交わすうちに、やがて花がさく春へと季節は変わっていきます。そしてまた夏、秋へと。日本は、とくにこの北の地、北海道は季節の変化がはっきりしていて私はとても好きです。
無常という言葉があります。常では無い。と書きます。この世には何一つ常であるものは無い、つまり変わらないものは無いということです。それは春・夏・秋・冬と季節が流れてゆくように、小さな子どもが大きくなっていくように、そしてこの世に命をえて産まれてきたすべてのものが、歳を取って最後を迎えていくように。この世にある全てのものは時間とともに変化をしていきます。季節の移り変わりの中で、無常の世の中で私もそして皆さんも生きています。
昨日を皆さんはどのように過ごされましたか。そして今日一日をどのように過ごされるのでしょう。「今日も昨日と同じだよ」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし今日という日は2度ときませんし、もちろん昨日は決して戻ってきません。私たちに同じ時間はないのです。ただ時間が流れ、私たちは移り変わってゆくだけです。それが無常ということ、そんな世の中で私たちは生きています。だから今の、この一瞬、一瞬を大切にしなければいけません。
今日の一瞬の大切さをどうぞ感じて今日一日をお送りください。
副島 豊道