思いやりを食す
法話
2026/01/25
2026年01月25日放送
おはようございます。新ひだか町禅祥寺 渡邊邦顕です。
皆さんはお葬式や御法要などでお焼香をしたことがあるかと思います。
仏教的なイメージが強いお焼香ですが、実はお釈迦様の誕生以前、すなわち仏教の成立以前にもお焼香に使われる抹香、香木が使われていました。お釈迦様のお父さん、ジョウボン王が亡くなった際、香木を石臼で粉末状にし、水に溶いたものに浸された後、香木で組んだ祭壇で荼毘に伏されたそうです。このころは宗教的な儀礼ではなく、どちらかというと衛生的な側面が強い使われ方をしていました。
そんな、お焼香の役割には「香を焚くことによって身を清める」や「煙が部屋に充満する様を仏教の教えが世界に流布する様に例えて焚く」など様々な解釈があります。解釈は様々ですが私の一番好きな解釈は身近な食事に例えたものです。
あの世では霞を食べる「香食」が行われており、良い香りの香を焚くことによって、その行為そのものが個人への食事や飲み物の施しになるという考えです。そうしますと、この世でのお供えは意味がないように感じる人もいるかもしれません。実は、あの世では「生食」といってお供えがそのままあの世に送られ食べられているのです。それも長さ3尺、約91センチのお箸を使ってお互いに食べさせ合うのです」
私達は知らずに普段の生活で、つい手前勝手なことをしてしまっているかもしれません。しかし、食事一つでもお互いに食べさせ合い、助け合う。そんな、あの世の食事の作法に心を寄せれば、誰かを思いやり助ける真心につながるでしょう。
新ひだか町禅祥寺
渡邊邦顕
渡邊邦顕


