いただきます
おはようございます。札幌市真龍寺飯田全祥です。
皆さんは「トマト」好きですか?私はトマトが大好きで夏場は毎食トマトを食べていたりします。
何故私はトマトが好きなのか。それには大好きな祖父母の存在がありました。
幼い頃、夏休みになると私はおじいちゃんおばあちゃんの家によく遊びに行きました。そこで家庭菜園の手伝い、という名の遊びを楽しんでいたのです。スコップでザクっと土を掘り返しては戻す。えんやこら、えんやこら、とやっていると近くで他の作業をしていたおじいちゃんが「ぜんちゃーん。そろそろ一服にするべ」と声をかけてくれます。すると、おじいちゃんは畑で実ったトマトをもぎ取ると自分の服でトマトを磨いてガブリッと一口。「ぜんちゃんも良いよぉ」そう言われ、私も畑で実ったトマトを取ってガブリと。これがまたみずみずしくて美味しいんですよね。そしておじーちゃんの家に戻ると中でおばあちゃんがオヤツを用意してくれてました。そのオヤツがまたトマトなんですよね。と言ってもただのトマトではありません。輪切りにされたトマトに砂糖がかかったものでした。これがまた甘酸っぱくてスイーツのようで私は好きでした。おばあちゃんが言うには「畑で採ったトマトだけど、このトマトはすっぱすぎてねぇ。でもこうやれば美味しいっしょ」と。私はこのおじいちゃんとおばあちゃんのおかげでトマトが大好きな大人となりました。
大本山永平寺を開いた道元禅師が著した「典座教訓」ではお寺で修行僧の食事を用意する責任者である典座の心構えなどが記されております。
その中で道元禅師は食事を作る際の心構えとして、作る喜びを忘れない心、相手の立場を思って丁寧に作る心、偏りのない深く大きな心、この三つの心、「三心」が大事だとお示しです。
遊びとは言え畑仕事を楽しいと思った私の心、孫である私に美味しいものを食べさせてあげたいと一所懸命畑を耕すおじいちゃんの心、たとえ良い物が畑から採れなくともそれを粗末に扱わず一工夫して美味しいものにしようとするおばあちゃんの心。まさに道元禅師の示された三っつの心「三心」が無意識に揃っていた結果、その時私もおじいちゃんもおばあちゃんも幸せになれた、ということです。
このラジオをお聞きの皆さんも、今話した三つの心を大事に思いながら手を合わせてもらいまして『いただきます』。
飯田全祥


