なぜ私は僧侶になったのか
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おはようございます、札幌市 峯光寺 小野隆見です。
本日は、「なぜ私は僧侶になったのか」についてお話をさせていただきます。
お寺の息子として生まれた私は、実は僧侶になろうとは考えていませんでした。
大学は駒澤大学の仏教学部に入りましたが、それも、東京へ行きたかったからという理由でした。そんな理由で大学へ入学したので、アルバイトや遊びで授業は欠席ばかり。せっかく仏教学部にいるのに何も学んでいない。そんな日々が続いた二十歳の頃、親しくしていた友人・知人が、突然の事故や病気でなくなるという事が続きました。ついこの間まで元気だった人が、今は亡くなっている。自分も今は元気で生きているが、明日はわからない。と、強く思うようになり常に死の恐怖がつきまとうようになりました。死が怖いと、生きるという事まで怖くなりました。なぜなら生きていると、やがて死んでしまうから。それは家の中だろうと外だろうと関係無い。落ちたら死んでしまうロープのをいつも歩いているような恐怖感。その恐怖から逃れるために、様々な本を読むようになりました。そうして気付いたのです「あ、自分は今、仏教学部にいるんだった。仏教では死への恐怖にどう対応するのだろうか」と。そこから学校の授業にも出席するようになりました。
私の抱えていた死への恐怖を取り除いたのは、座禅でした。大学では坐禅の授業もありました。座禅というのは過去や未来のこと、又あらゆる思いを手放して今ここでただ座る。というものです。死への恐怖というのは、未来の事です。
私はまだ来てもいない未来の事を、頭の中で思い描いては怖がっっていただけ、という事に気付きました。最近では、VR(バーチャルリティ)という仮装現実、つまり本当にその世界にいるような精巧で360度見渡せる映像やゲームが流行っています。そのVRと同じように頭の中で怖い未来を精巧に作り出しては、その未来がまるで本物かのように怖がっていた。そこから抜け出せたのが座禅だったのです。
座禅によって救われた私は、仏教に大変興味を持ちその後修行へ行く事を決め、そうして今、僧侶としてここでお話させていただいております。
明後日より新年度。新しい事を始めるのにちょうど良い時期です。
皆さんも、座禅をしてみませんか。
小野隆見
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