「よっぽどのご縁」
法話
2018/09/01
2018年09月01日放送
おはようございます、函館市 興善寺 山本晃観です。
私はパン屋の息子でした。
これを聞いた方は「えっ?」と思われたことでしょう。私自身も未だに不思議に思うこともあります。大学4年生22才の時に、師匠のもとで『得度』という出家の儀式をうけさせていただき、お坊さんになりました。
私を含め多くの皆さんもそうだと思いますが、お坊さんの息子が、そのまま後を引き継ぎ、お坊さんになることが多いと思っていましたし、実際 私のような人は少ないと思います。
私の場合は、お坊さんの着ている着物や衣、お袈裟に興味を持ったのがきっかけです。このように些細なきっかけと師匠のご縁で今の私が在ります。
皆さんも人と人とのご縁を感じたことはありますか?
家族や友人、会社の人達などあらゆる人と、知らず知らずのうちに支えあって生きているはずです。人として生まれ、今まで生かされてきたということは、容易なことではないと思います。人は一人で生まれてくることも、育つこともできません。両親を始め、多くの人たちの愛情と協力によって、成り立っています。
しかしどれだけの人がそのことに気づき、感謝しているのでしょうか?近しいが故に当たり前の存在となってしまうこともあるのではないでしょうか?
人間とは、読んで字のごとく「人」と「間」からできており、お互いを支えあいながらその「中」、「間」で生きているのです。お釈迦さまの御教えは、頭で理解するのではなく、体で実践することを説いています。
あなたは今誰を思い浮かべましたか?
その方とのご縁に感謝し、それを伝えてみてはいかがでしょうか?
函館市 興善寺
山本晃観
山本晃観