「ありがとう」
法話
2018/02/03
2018年02月03日放送
先日のことですが、寺に電気の補修点検依頼があり、半日の停電だと思い安易に了解いたしました。それが、たまたま寒い日に当たりストーブがつかずトイレの水すら流せず大変な思いをしました。
結局約束の時間が来るまで各々日向に座り御天道様の温かさをつくづく考えさせられる中、何事も当たり前ではないということに今一度ながら気づかされました。
私たちはともすると、自分本位な考え方に陥ってしまいます。
しかしながら、自分自身が、自然や他の人々に生かされていることに素直に気づくことにより、何事も当たり前では無いことが感謝の心を思い起こすことにつながります。
大切な人をなくして初めて気づくのではなく、今生かされているご縁の中で、まずは家庭の中からお互いに向かい合い、思いやり支え合うことを心がけ、思うだけではなくかたちとし、言葉とし、届けあっていただくことを忘れてはいけません。
仏教の教えではこれを菩薩の心と呼んでいます。
まずは、家庭の中からお互いにこのことを実践することにより、人として本来の生き方に立ち返るのではないでしょうか。
「ありがとう」この言葉を1日の中で一回でも多く届けていきましょう。
苫小牧市 中央院
荒澤 道範
荒澤 道範