「命」
法話
2017/07/29
2017年07月29日放送
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私たちの住む地球上に、生命が誕生してから、約三十八億年の時が流れています。
この間、無数の生物が、「生まれては死ぬ」という歴史を、繰り返し続けて来ました。
私たちは受精の瞬間から死に向けて時を刻みはじめ、必ず死を迎えるようにプログラムされています。一方、私たちの身体の中には、生殖細胞と呼ばれる一群があり、この細胞は親から子へ、子から孫へと連続して遺伝情報を伝える働きを持っています。
私もまた両親の生殖細胞から出来たのであり、その細胞は三十八億年の生命を綿々と繋いできたものです。一個の生物として考えるとき、人間はせいぜい百年余りの有限な命でありますが、その人間を構成している細胞は、「三十八億年の歴史を持っている」とも、言えるのです。
曹洞宗大本山永平寺をお開きになった道元禅師さまは「生ずることと滅することは、その表裏一体性において受け止められるべきものである」(『正法眼蔵 授記』)とお示しです。
現在地球上に生息している生命よりも、三十八億年の間に死滅した細胞の方がはるかに多いという意味で、命は大きな死の河の一筋の流れに過ぎません。
しかし、一人の生命の働きは終わっても、その命の本質は、次の世代にもしっかりと受け継がれるのです。
儚さの中に煌いている命。お盆の季節が近づくたびに私は、その深さと尊さに想いを寄せ、「伝えられた互いの命を、精一杯輝かせたい」と、強く願うのであります。
えりも町 法光寺
佐野 俊也
佐野 俊也
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