「お線香をまっすぐに」
法話
2015/03/07
2015年03月07日放送
お仏壇をお参りするときに曹洞宗では、ロウソクに灯をともし、お線香を一本立ててお参りを致しますが、なかなか真っ直ぐにお線香を立てることは難しいものです。
私が大本山永平寺で修行中の時に、たまたまお線香を立てる機会がありました。その時に何気なく皆が立てるように、お線香を一本立てました。そうすると、あとから先輩和尚さんに、なぜ真っ直ぐにお線香を立てないのだ。と叱られました。よく見てみると、正面からは真っ直ぐに見えても、色々な角度から見ると手前に少し傾いていました。先輩和尚さんは、まず背筋を伸ばし、どこから見ても真っ直ぐに立てられるようにならなければならない。それができると、例えば、トイレのスリッパや手拭きタオルが自然と整えられるようになる。それに自分自身の心も自然と整えられるのだ。このように言われたことを昨日のように今でも覚えています。
私自身も、御月参りで御檀家さんのところにお参りに伺うときには、まず、背筋を伸ばし、お線香を真っ直ぐに、心も真っ直ぐにと思い、お勤めさせて頂いております。皆様も朝、目を覚ましましたら、お仏壇にご飯・お水をお供えして、背筋を伸ばし、お線香を真っ直ぐに、心も真っ直ぐに、整えることをお勧め致します。
洞爺湖町 洞爺寺
五十嵐 大介
五十嵐 大介