「もったいない」
法話
2014/11/15
2014年11月15日放送
早いもので11月を迎え、そろそろ年末年始の準備を始めているところでしょうか。 特にこの時期はお参りにお伺いいたしますと、お仏壇に新鮮でおいしそうな果物や野菜が並んでおります。その他にもご先祖様への心がこもったお供えや、故人が好きだったのだろうと思われるものがお供えされているものを拝見すると、ご先祖様への感謝の気持ちが伝ってまいります。
現在、日本の食料自給率は約40パーセントで、その他は輸入に頼っているのだそうです。更にその輸入している食糧の三分の一は廃棄されているのだそうで、その捨てられた食糧品の量とは、なんと年間約5000万人が生活できる量だと言うのです。確かに、コンビニやスーパーなどで売れ残ったものがどうなるのかと考えますと、この数値もうなずけます。「うーん。もったいない!」
食べ物を粗末にしてはいけないということを小さいころから教えられておりますが、なかなかできないのが私たちなのでしょう。食べ物があふれているからこそ、なかなか気づかないことではありますが、お仏壇のお供え物のように、一つ一つに心を込めたならばきっと粗末にはできないと思います。
「もったいない」とは仏教語が元となっておりますが、現在ではそれが転じて「物の価値を十分に活かしきれておらず無駄になっている」状態を表しております。物の価値を活かすか否かは自分次第です。一人ひとりの小さな心掛けが日本や世界を変えるのです。共に実践してまいりましょう。
鹿追町 禅昭寺
齊藤 祐基
齊藤 祐基