「座禅のすすめ」
法話
2014/03/15
2014年03月15日放送
皆さんはなにか悩み事があるでしょうか。
こう尋ねられて、何もないよという方はほとんどいないのではないでしょうか。それではその悩みは、今この瞬間にも悩んでいるものなのでしょうか。おそらくその悩みというものは、過去か未来の悩みなのではないでしょうか。過去に言われた嫌な一言であったり、やってしまって後悔していること、未来にこうなったらどうしようという不安や恐れ。そんな過ぎ去った過去の嫌な思い出を頭の中で繰り返しては悩み、まだ来ぬ未来の不安を頭の中で創り出しては悩んでいる。つまり、今この瞬間に悩みが生じているという人は、少なくとも今このラジオを聴かれている方にはいないはずです。みんな過去か未来の事を、考えて悩むから悩みになっているのです。
例えば一カ月前に前に一度だけ嫌なことを言われたとします。しかしそれを何度も何度も頭の中で思い返し百回繰り返すと、たった一度だけ言われた嫌なことが、百回言われたことになってしまいます。全く同じ一言を言われてもすぐに立ち直る人と、いつまでも悩んで落ち込んでしまう人がいるのはその為です。悩まない為には、頭の中で考えて繰り返すということをやめていけばいいのです。
曹洞宗の教えには、何も考えずにただ坐る座禅というものがあります。座禅をして何も考えずに、頭の中で繰り返すことをやめていく。そうすることで、もう悩まない人生を歩んでいくことが出来ることと思います。皆さん、これを御縁にお寺で座禅をしてみてはいかがでしょうか。
札幌市 峯光寺
小野 隆見
小野 隆見